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「雑魚に構っている暇はない。突破するぞ」
大きな太刀を構え、アーロンが言う。
アーロンは次々に目の前の無数の魔物を斬り落としていく。刀の大きさを感じさせない様な素早い斬撃は、ティーダが呆気に取られる程、見事だった。
遅れをとってはいけない。ティーダも魔物に果敢に斬りかかった。
恐怖に支配されていた先程とは別人の様な動きで魔物を斬り落としていく。
さすがにそこはブリッツ選手。並外れたボディバランス、反射神経、運動神経は申し分ない。素早い動きについていけるのも頷ける。
しかし、ウロコは空から無数に振り続け、フリーウェイに魔物として降りたっていく。
数が多すぎる。二人ともいつの間にか囲まれてしまっていた。
「全て倒そうと思うな。邪魔な奴だけ切り捨てて走れ!」
魔物が飛ばしてくるトゲを器用に避けながら魔物を切り捨て、二人はフリーウェイを駆けていく。『シン』がより大きく見えていた。確実に近付いていた。
と、その時、フリーウェイの先に『シン』が飛ばした大きなコケラが突き刺さっていた。
不気味に光る大きな物体を目指しながらティーダは叫ぶ。
「好き勝手暴れやがって!!」