ff6 - 35 figaro

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「お休みのところ、失礼します!エ、エドガー様!!」 (来たか…) 寝室で休んでいたエドガーは、瞼を開き、用意していたフィガロの機械甲冑を身につけた。 「斥候部隊からの報告です!ケフカが帝国の魔道アーマーを率いて、こちらにむかっているとのこと!」 「分かっている。大臣達を叩き起こせ!『オペレーション・黄金のフィガロ』発動準備!」 「ハッ!ただちに!」 エドガーの怒号のような命令を、初めて聞いたこの兵士はことの次第の重要さを即座に理解したようだ。 半時もせぬうちに、大臣たちが王室に続々と集まってきた。 「いよいよですな!」 「やっとこれで帝国におべっか使わずにすむぜ!」 「フィガロの雄姿!ケフカの野郎にみせつけてやりましょう!」 一気に燃え上がるフィガロの戦士たちとは対照的にフィガロ王エドガーが落ち着いていた。 「みなのフィガロにかける意志を私はとても頼もしく思っている! しかし、一国を束ねる王として最悪の事態は出来るだけ回避したい! 帝国もまだ、われらに刃を構えただけで、振るったわけではない! 私はこれから、ケフカと最後の話し合いをするつもりだ!」 エドガーの言葉で、騒然としていた場が静まり返り、みな落ち着きを取り戻したようだった。 (この方の王としての器、計りしれん…。) 先代のフィガロ王から従事している大臣が、感慨にふけるそのときであった。 「帝国の使者、ケフカ様のご到着です!」 と門番兵から無線が入った。 「衛兵はいらん!向こうを挑発するだけだからな。大臣!!」 「ハッ!ここに!」 一瞬大臣の目には、エドガーが先代王に重なって見え思わず、大臣は膝をつき頭をたれた。 エドガーは、大臣の肩に手を置き、静かに囁いた。 「…顔をあげてくれ。私がフィガロを離れた場合、この国における全権を君に託す。」 頭を上げると、そこにはやさしく微笑みかけるエドガーの顔があった。 「わ、私が…!」 「君は父上の代から、フィガロに仕えている。 私は父上同様、君に全幅の信頼を置いているんだ。フィガロを頼む…。 それに…それにここは、マッシュが帰ってくる家でもあるんだっ…!」 エドガーの普段表にださない思いを聞き、大臣は再び頭を下げた。 「命に代えても…!!」 「……頼むぞ…。」 エドガーはその場を離れ、謁見の間にいるケフカのもとへ向かった…。

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