ff6 - 42 figaro

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「エドガー、その甲冑は…?」 「あぁこれかい?フィガロの技術を結集して完成させた機械甲冑さ! 事態にそなえて急ピッチで仕上げたから、 さすがに新開発のドリルまで搭載するまではいかなかったが…。それより、ロック、大丈夫か?ティナは?」 「おれは、軽傷だ。ティナ?」 ロックは震えるティナを抱き起こした。 「あの人たち、悪い人なの?私…こわい…。」 「ティナ、会ってほしい人がいる…。」 エドガーがおもむろにきりだした。 「俺達は地下組織リターナーのメンバーだ。」 「その指導者バナンに会ってくれないか?今度の戦争は『魔導』の力がカギになっている。」 「魔導……。」 ティナは自分の中に眠る力を呪っている。 無理もないことである。その力のおかげで、帝国に利用され、 幾人もの命を奪い今も自分を苦しめている。 彼女は考える。 もし、この力を持っていなければ、ジュンやロック、エドガーたちはここまで自分のために戦ってくれるだろうか。 彼らもつまるところ、関心があるのは、この力で、自分自身ではないのではないか。 「ティナには魔導の力がある。その力は幻獣と反応しあった。何か関係が…」 核心をついたエドガーの言葉に、ティナは声を荒げずにはいられなかった。 「私は何も知らないわ!あの力も気がついた時は自然と使えるように…」 「しかし生まれつき魔導の力を持った人間などいない!」 気まずい空気が流れる。 「すまない。」 「私どうすれば…。」 もう、わからない。これからどうすればいいのか。どう生きればよいのか。 帝国から助けてくれたエドガーにあやまらせて、いじけて、最低だな私…。 「帝国がティナの力とその秘密を狙って追ってくるだろう。力が帝国の手に渡ったら世界はおしまいだ。 ティナも自分の持っている力の正体を知りたいだろう?ならば、バナンに会い真実を見極めてほしい。」 「………。」 それが、今一番良い方法なのかもしれない。その人に会うことで、 自分が何者なのかを確かめることが出来るのなら。 何より、今初めて自分の心に出来ようとしている、この人と人との暖かい繋がりを絶ちたくない。 「俺からもたのむ。」ロックがティナのほうをみつめている。 ロックは体を張って私を助けてくれた。エドガーも国を犠牲にしてまで、私の身を案じてくれた。 私の力が何なのか今はまだ分からない。でも、私は彼らの力になりたい。 その気持ちは本物だ。 初めて選択できた自分の意志─ 「…分かった。私、バナンさんに会うわ。ごめんね、エドガー。」 「フッ、構わないさ。女性を悲しませてしまうのは私の性分だからね。」 「ふふふ、そうね!」思わずティナから笑みがこぼれた。 「やはり、女性は笑顔が一番!よし!南に向かおう! サウスフィガロへと続く洞窟があるはずだ。じきチョコボたちも戻ってくるだろう。」

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