FF9 OP1

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十六歳の誕生日、王女はいつもの夢で目覚めた。 嵐の夜、荒れる海原、いつ転覆してもおかしくないような小舟。 そんな状況で少女と女性が必死に生き延びようともがく夢だ。 王女はそれが自分であるかどうかもわからないし、その日に 何があったかもわからない。ただ、その夢に秘められた 忌まわしい記憶だけが王女の心の片隅に残されていた。 窓を開けてみる。滅多に出ることのないこの城で、唯一 自由に外の世界を見渡せる場所。 もう夕闇迫るアレクサンドリアの空を真っ白な鳥が 群れを成して飛び立っていった。 王女はその鳥の名前も知らないし、アレクサンドリアでは 別段珍しくもない鳥だ。しかし、その鳥を見るたび王女は 思うのであった。 「あの鳥のように、私も自由になれたら…」       「君の小鳥になりたい」 「最高に切ないラブストーリーを今…  呪われし運命、消せぬ記憶…。夢と現実と、そして生と死と」 時同じくして、とある飛空艇の中。 少年は、そのお芝居のパンフレットらしい冊子を握りしめ、 つぶやいた。 「いよいよ今日が、決行の日か…」

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