FF9 アレクサンドリア城下町にて#4

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「さあっ、あともう少しだ、がんばれ!」ネズミの子が叫んだ。 トンガリ帽子の男の子が、屋根と屋根の間に出来た橋を渡っている。 まだ足がガクガク震えているが、確実に橋の向こう側へと進んでいた。 そして、ついに反対側にたどり着いた。「へへっ、やったな、はい!」 「う…、は、はいっ」トンガリ帽子の男の子はいつもの口調で「うん」と 言いかけたが、すぐに「はい」と言い直した。 「ところでオマエ、本当に名前が“はい”なんてオチじゃないだろうな?」 ネズミの子がそう尋ねると、そのトンガリ帽子の男の子は自分の名前を言った。 「ぼくの名前は…ビビ。」「ビビか…。変わった名前だな。」 ネズミの子は、さらに続けた。 「なあビビ、オレが“はい”しか言うなっていったって“はい”さえ 言ってりゃいいと思ってたら大間違いだぞ。」 「え……。」ビビは、首をかしげた。 「はいはい言うだけなら、“肺”と変わんねえんだよ。だけど オマエは人間だろ?オレは“肺”の子分なんか欲しくねえんだ。わかる?」 ネズミの子はそう言いながら、素早く橋を渡っていった。 「おらっ、さっさと渡って来い!」ネズミの子は、ビビを急かした。 「う、うん…。」ビビはそう言うとさっきと同じように、「はいはい」で 橋を渡り始めた。「あっ。」橋を渡りながら、思い出したようにビビは尋ねた。 「君の名前はなんて言うの?」聞かれたネズミの子は、こう答えた。 「おう、オレはパックって言うんだ。よろしくな!」 ビビも、さっきよりずいぶん速く橋をわたることが出来た。 「やったな、ビビ!」パックはそう言うと、ビビと 「ハイタッチ」を交わした。

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