FF9 アレクサンドリア城の人々#3

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アレクサンドリアを守るとされているプルート隊の隊長がそんな調子でも アレクサンドリアは今まで無事だった。 要するに、大きな戦乱がなく、平和そのものだったのだ。 ところが、最近は様子がおかしい。 パックはまたまた小さな声でささやいた。 「それにしても不思議だよな。どうやってあんなのからあんな綺麗な 王女が生まれるんだろう」 パックが言ったのは、ブラネ女王のことだ。確かに、出っ張った腹と でかい顔はガーネット姫のそれとは似ても似つかない。それでも昔は それも愛嬌のある容姿だとアレクサンドリア民に愛されていた。 しかし、今では妙に悪い顔色、醜くゆがんだ顔面、おまけに 頭の足りないオバチャンなどにありがちな趣味の悪い服装からは 何となく邪悪なオーラさえ醸し出している勢いだった。 さっき最近様子がおかしいと言ったのは、このブラネ女王を巡る 様々なウワサのことだ。このブラネ女王があらゆる国に攻め込もうと してるんじゃないかとか、ブラネ女王がおかしくなったのは 変な男がたぶらかしたせいじゃないかとか、ブラネ女王の容姿を 例えるなら象が一番ふさわしいんじゃないかとか、いやむしろ ブタの方がピッタリじゃないかとか、本当に様々なウワサが 飛び交っているのだった。しかし今夜ばかりはそのブラネも 演劇の始まりを告げるパレードに夢中になっていた。 その隣で、憂鬱そうな表情を浮かべる自分の娘には目もくれずに……。 パレードの最後、特別大きな花火が上がったときブラネは 「おおっ、すげえ」およそ女王のそれとは思えない言葉でその感動を表した。

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