第1章 SeeD-41

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ゼルは一気にラッシュをかけた。 ジャンプ一番、一挙動で間合いを詰めると、強烈な左右の四連打を繰り出した。 「甘いな」 ウェッジは動じることなく、ファイティングポーズもたらぬまま、ゼルの四連打を全てかわした。 「まだまだっ!」 ゼルは手を休めず、更なるラッシュをかけた。 ローキックからの連打、裏拳から廻し蹴り、連打からの正面蹴り、そして踵落し・・・ ゼルが得意とする、流麗かつ力強い連撃の数々。息つく暇も与えぬとはこの事だ。 しかし、その全てをウェッジはかわしている。相変わらずファイティングポーズもとらずにだ。 「その若さにしては中々。だがまだ甘い」 「へん、かわすのが精一杯のくせして、よく言うぜ」 余裕の態を見せるウェッジに対し、ゼルが負けじと言い返す。 しかし、それが虚勢なのは明らかだ。 徒手格闘において、ゼルに並ぶ者など、ガーデンには存在しない。 そのゼルのラッシュを全てかわしてしまうとは・・・ゼルも内心驚愕の思いだろう。 「ならば見せてやろう。力の差を」 ウェッジが初めてファイティングポーズをとった。 「しゃらくせぇ!」 ゼルがムキになって仕掛けていく。 ガガガガッ! 拳と拳のぶつかり合う音が立て続けに4回、周囲に響き渡った。 ゼルの繰り出した左右の四連打に合わせて、ウェッジもまた四連打を放ち、その拳で全てを正確に受け止め、はじき返していたのだ。 「これが力の差だ」 ウェッジは落ち着き払った声で言った。

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