第1章 SeeD-43

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「すご~い!やるぅ~」 傍らにいるセルフィが感嘆の声を上げた。 ゼルの奴、ハッタリや虚勢などではなく、今まで本当に力を抑えていたというのか・・・驚きだ。 「どうやら貴様の言う通りらしい。私は貴様を過小評価していたようだ」 「わかってもらえて嬉しいぜ。さあ、行くぜ!」 「うむ、来い!」 両者が激突する。 空気を切り裂き、うなりを上げて繰り出される技の数々、そして、目まぐるしく入れ替わる攻防の数々。 なんて奴らだ・・・驚きを通り越して、俺は半ば呆れた。 二人が繰り出すのは、まともに食らえばKO必至の強烈な技ばかりだ。 なのに、どちらも大きなダメージを負うことなく、それらを見事にさばき、あるいはガードしている。 まさに一進一退、勝敗は容易にはつきそうにない。 「互角、か」 「そんなことな~い!押してるよ~」 思わず口をついて出た俺の言葉に、セルフィがすかさず応じた。 俺は改めてバトルを注視した・・・確かにセルフィの言う通りだった。 スピードは互角でも、やはり破壊力にはゼルに分があるのだろう、僅かずつではあるがウェッジが後退し始めた。 「いいぞ~、行け~!」 セルフィの声援に背中を押されるかのように、ゼルがさらにラッシュをかけていく。 じりじりと後退するウェッジ。 しかしその後退はやがて、背後の壁によって阻まれることとなった。 「さあ、追い詰めたぜ」 攻撃の手をとめて、ゼルはニヤリと笑った。

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