ff6 - southfigaro-6

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地図を辿っていくと、こじんまりとしたどこか品の良いレンガ造りの家が建っていた。 庭もきれいにガーデニングされており、 その中には昨晩の小屋で見かけたブルー・ド・オアシスの姿もあった。 エドガーが呼び鈴を鳴らすと、間もなくパタパタと足音が聞こえ、ドアが開いた。 そこには、小奇麗な老婆の姿があった。 「私はフィガロの王、エドガーと申す者。 ここに…マッシュ…という男がいるということを聞き訪ねてきたのだが…。」 (どことなく、婆やにも似ているな。) そんなことを考えていると、 (あなたが…)といった表情でエドガーの方を見つめていた老婆はやがて、一礼をした。 「…ダンカンの妻、クレアと申します。マッシュからも聞いております。 彼の兄上でもあられるのでしょう。狭いところですが、どうぞ。」 案内された室内はきれいに整頓されていたが、老婆の一人暮らしのような様相でもあった。 「…主人は、ほとんどこの家には帰ってきませんの。旅と修行が三度の飯よりも好きなような人でしたから…。」 エドガーの心を読み取ったのか、椅子に腰掛けたエドガーのほうを見ながら、クレアも椅子にすわり語り始めた。 「…十年ほど前のことでしょうか。主人がマッシュを連れ帰ってきたのは…。 あの子はとても素直で、優しい子でした…。 最初の一年は私と一緒にこの家で暮らしていました。でも、やはり主人が恋しいようで…。 そのうち主人の後ろにくっついて一緒に旅をするようになり、三年目の春。 マッシュは正式に主人の、ダンカン流格闘術の弟子となりました。 それからは、私たちの子、バルガスとともに、修行の毎日を送っていたのですが…。」 そこまで語るとクレアの瞳から涙がこぼれ落ち、話すこともままならない状態になった。 エドガーが落ち着かせようと立ち上がったが、クレアは首を振り、小さな声で大丈夫です、と返事をした。 「…取り乱して申し訳ありません。 二日前のことですが…突然マッシュが家へ帰ってきました。 あの子は満身創痍で、何か修行中に事故でもあったのかと尋ねましたら、そうではないと。 私たちの実の子バルガスが、主人を殺したと…。自分があの子を止めると申して飛び出して行こうとしましたの…。 私はマッシュを引きとめ、事情を聞きました…。」

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