ff6 - southfigaro-7

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それは、三日前のこと…。 コルツ山の山頂で、マッシュは瞳を閉じ、精神統一をしていた。 聞こえるのはセルピアスのいななきと、コルツ山のふもとを流れるレテ川支流の滝の音だけである。 その時、不意にマッシュの右側に石つぶてが飛んできた。 (つぶてはフェイク!本命は…) カッと目を見開くと、素早く左側に体を半開させた。 砂塵が舞う中、そこにあったのはダンカンの突き出した拳であった。 「…ふむ!だいぶわしの動きにもついてこられるようになったな。 お主は、少々力任せな気性があるが、同じくらい相手を読むことができれば、 わしやバルガスを超えることもできるであろう!」 褒めることが苦手なダンカンから、ここまでの賛辞を受けたことのないマッシュは歓喜に震えた。 「ありがとうございます!」 マッシュが頭を下げたとき、黒い影がマッシュの隣を横切った。 「親父、話がある。」 黒々とした長い髪を大雑把に後ろで縛り、日焼けした褐色の筋肉は隆々としている。 その筋肉の鎧をまとった体格はマッシュより、さらに一回り大きい。 「…バルガス、修行中は、師匠と呼ぶようにと常日頃から言っておるだろう。」 「すいません、師匠お話がございます。」 バルガスは仰々しく頭を下げた。 ダンカンはニコリともせず、バルガスとともに去っていった。 近頃、ダンカンとバルガスの間にわだかまりができていることは、マッシュも感じていた。 おそらく、バルガスがマッシュたちから離れ、独自で修行を開始した頃からである。 先ほどの修行で、そうとう神経を使ったため、マッシュは疲れ地べたにゴロリと横になった。 先月、風の噂で、フィガロが帝国と同盟を結んでいたことを聞いてからは、マッシュの頭の中はそのことでいっぱいだった。 (兄貴が、このまま帝国の犬に成り下がることはないと思うが…。) ダンカンと共に世界中を旅するうちに、帝国のやり方にはマッシュも強い反感を持つようになっていた。 青い空を眺めながら、そんな事を考えていていたが、突然の轟音と爆風が、マッシュを叩き起こした。 「な、何だ?」 音のした方向へ向かうと、そこには信じられない光景が広がっていた。

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