ff6 - southfigaro-8

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「ククク、惨めなものだな。両足を折られては、もはや立つことすらままならぬか?」 そこには、足を押さえうずくまるダンカンと、それを見下すバルガスの姿があった。 「し、師匠!?バルガスさん!?」 「き、来てはならぬ!マッシュ!」 思わず、駆け寄ろうとするマッシュであったが、ダンカンがそれを制した。 「動くな!動けばこの男を崖から突き落とす。」 「クッ!バルガスさん、一体どういうつもりです!?」 「…答える舌はもたん。ここで屍となる貴様にはなぁ!!」 バルガスのダンカン流にはない、つまりマッシュの見たことのない構えをとった。 「くらえ!我流奥義!連風燕略拳!!」 バルガスの周囲の空気が、突き出したバルガスの両の掌の中で球状に圧縮されていく。 そこから竜巻といってもよいほど、強力な突風が巻き起こり、マッシュを襲った。 「うわぁあぁあ!」 必死に防御したマッシュであったが、あまりに強力な風を受け、吹き飛ばされ深い谷へ落とされてしまった。 「くそ!マッシューー!!」 とっさの判断でダンカンも、バルガスの一瞬の隙をつき自ら谷に飛び込んだ。 「自ら、死を選ぶとはな…。それがあんたの宿命か…。」 バルガスはそう吐き捨て去っていった。 「大丈夫か…?」 ダンカンは崖の中腹に突き出た木の枝を左手に掴み、右手でマッシュの右腕を掴んでいた。 しかし、人二人を支えるにはその枝はあまりにも細すぎる。 「し、師匠…!手を離してください!今離せば、師匠は助かる!このままじゃあ二人とも…!」 二人の耳には、激流で有名なレテ川支流の轟音が響いている。 この高さから落ちれば、まず助からないだろう。 「ふっ…バカ弟子が…。そんなこと出来るわけなかろう。」 枝は早くもしなり、メリメリとひびが入り始めていた。 「…わしは、お前と同じくらいバルガスの素質にも惚れていたんじゃ…。 それにお主らは、わしと違ってまだまだ若い…。 二人で互いに競い高めあえば、わし超えさらなる高みへ近づけると思っていたんじゃがのう。 …本来ならわしの責任かもしれんが…。 マッシュ、わしからの最後の頼みじゃ、バルガスを、あの子を止めてくれ…。」 「師匠…まさか!」 その瞬間、二人を支えていた枝がついに折れた。 「むぅん!!」 ダンカンは最後の力を振り絞り、マッシュを天高く投げ上げた。 「し、ししょー!!!」 マッシュの叫びもむなしく、ダンカンは微笑みながら虚空のかなたへ落ちていった。 「バルガスさん…。いや、バルガス!おれはあんたを許さない!絶対に!!」

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