ff6 - southfigaro-11

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夕暮れともなると海岸線は人影もまばらだった。 二人は、夕日がちょうど見える浜辺に腰をおろした。 遠くで、夜間用船の荷の積みいれ作業や、子供たちが波打ち際で、砂遊びしているのが見える。 しばらく、どちらも口を開くことなく黙って海をただ眺めていたが、 波の音や、子どものはしゃぐ声、船の汽笛、カモメの鳴き声が二人の耳を満たしていた。 「…海見るの、初めてか?」 ロックが尋ねると、ティナは首を横に振った。 「…初めてじゃないと思う。ロックとエドガーが言っていたとおり、私この大陸には船で来たから…。」 「…記憶戻ったのか?」 ティナは決まりの悪い顔でうつむいた。 「…序々にだけどね。でも、思い出されるのは最近のことだけ。昔のことはまだ何にも…。」 「そっか…。焦んなくてもいいさ。もうティナを縛るものは何にもないんだからな…。」 ティナは黙ったままだった。 だんだん夕日も落ちてきて、あたりは薄暗くなってゆく。 「…海って、不思議ね…。何だか心が落ち着くわ…。」 「まぁ『海は万物の母』ってゆうぐらいだしなぁ…。」 ロックは両手を頭にやり寝転がった。 「……母かぁ…。」 ティナは港のほうを見つめていた。 ロックがその方角へ目をやると、浜辺で遊んでいた子供たちを母親が迎えに来ているところであった。 「…私にもお母さんやお父さんっているのかな…。」 「当たり前だろ!そんなこと…」 思わずロックは頭を上げた。 しかし、ロックにもティナの両親については何の見当もなかった。 しばらく気まずい空気が流れたが、話題を変えようとティナが 「ねぇ、ロックは何でトレジャーハンターになったの?」と尋ねた。 しかし、ティナの思惑は外れ、途端にロックの表情が暗くなった。 今まで明るかった分、そのギャップにティナは驚いた。 「…探し物があるんだ?」 「探し物?」 「……ティナには…話してもいいかな…。おれ…」 ロックはティナのほうをじっと見つめた。 と、その時グゥウゥ~!と、周囲に聞こえるほど強烈な音が、ティナのお腹から発せられた。 ロックは、腹をかかえて笑い転げた。 「…ごめんなさい。」 ティナは顔を真っ赤にしている。 「あっはっは!!いや、いいんだ!そうだな、腹も減ったし、飯でも食いにいくか!な?」 ロックは尻についた砂を払いながら立ち上がり、手を差し伸べた。 いつものロックの顔に戻ったので、ティナも喜んでその手を掴んだ。 「…うん!」

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