「Prelude6」

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 祖国ダルマスカ。救う方法があるとすれば、ナルビナ城塞で敵を止めることだけだろう。それが出来なければ、ダルマスカ本土はアルケィディア帝国軍に蹂躙される。それだけは――故郷を失うことだけは、避けたかった。  バッシュはそれだけ告げると、背を向ける。一刻の猶予もない――飛空挺を多く所持するアルケィディア軍が、矛先をナブディスからナルビナへと向けたのはもう数時間も前だ。急ぎ向かい、そして対策を練らなければならない。  と―― 「ご一緒させてください!」  思わぬ声に、バッシュは足を止めた。体半分だけ振り返ると、ラスラがこちらを見据えている。  驚いたような国王の顔。そしてラスラの顔を見つめ―― (…………)  彼の目に強い決意の光が灯っていることを認めると、バッシュは頷いて歩き出す。その背中に、駆け寄ってくるラスラの足音が聞こえてきた。

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