第1章 SeeD-36

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「やかましいっ!」 サイファーは一気に間合いを詰めて、俊敏な突きを放った。 「甘い」 その突きを長剣で難なくさばくビッグス。 「どうかな?」 サイファーがうそぶく。 さばかれた筈のサイファーのガンブレードが、再びビッグスの喉元に襲い掛かる。 「ぬぅ!」 首をひねって、かろうじて突きをかわすビッグス。 そこへ間髪入れずに、サイファーの新たな突きが飛んでくる。 「なんとっ!」 サイファー得意の三段突き。ガーデンでの戦闘訓練では、俺も随分苦戦した。 勝負あったな・・・そう思ったのは、俺の早計だった。 三段目の突きが襲い掛かる直前、ビッグスは上体を反らし、そのまま後方へ とんぼ返りを打って、難を逃れていた。 「三段突きとは・・・その若さで、よくやる」 充分な間合いをとった上で、感嘆を発するビッグス。 「フン、お前もな。こいつをかわせる奴ぁ、ガーデンにも滅多にいねぇのによ」 必殺の三段突きをかわされたというのに、サイファーはどこか嬉しげだ。 「どうやら互いに相手をなめていたようだな」 ビッグスが言った。こちらも嬉しそうな笑みを浮かべている。 「では、本気で行かせてもらう」 そう言って、ビッグスは下段に構えた。いや、これは、下段ではない。 構えは青眼つまり中段のままに、前後のスタンスを極端なまでに広くとり、 上体を大きく前傾させているのだ。 これは・・・地擂り青眼!

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