FF5 7 あてのない旅

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バッツはボコの所へ『やっと』辿り着こうとしていた。 この『やっと』と言うのは反対側へ行ってしまった分、余計な労力を使ってしまったからだ。 ただでさえ足場が悪い道だ。たいした距離じゃなくても足は疲労し、それが全身へ伝わってゆく。 いつものように森で休んでいたら、近くに大きな隕石が落ちてきたと言う非日常。 ゴブリンと戦い、レナと言う父親が行方不明の女の子を助け、さらにガラフと言う記憶喪失の老人まで助けた。 そしてその2人は『風の神殿』へ向かうべく旅立った。 それぞれの事情を胸にして。 隕石が落ちてから今に至るまで時間にして2、3時間と言った所だろうか。 しかしバッツは『もうこれで今日は終わるのではないか?』と言うほどの今までに無い変な疲労感を覚えている。 徐々に入り口が近づく。辺りもだんだん広くなり、足場も良くなる。 遠くの方で『相棒』のバッツを見つけたボコが嬉しそうに鳴いているのが聞こえた。 ボコとバッツは『飼い主』と『ご主人様』ではなく、『相棒』と言う対等で固い信頼関係がある。 このボコと言うチョコボはバッツが一人旅を始めたばかりの頃、 ぽつんと1羽でたたずんでいる所を見つけられたのだ。 何故1羽で居たのかはバッツも知らない。群れから逸れたのだろうか。 そして、1羽で居る所がなんとなく自分の境遇と重なったのだろう。 以来、ずっと離れる事は無い唯一のバッツの良き『相棒』である。 ボコもあの時、独りのバッツと自分の境遇を重ねていたのかもしれない。

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