一節 闇と霧の邂逅6

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「覚悟しろ、幻獣!」 セシルは剣を抜くと一気に間合いを詰め、そのまま跳躍して幻獣に斬りかかった。 そして剣一閃、一撃で幻獣の身体を斬り裂いた、はずだった。 「!?」 おかしい。手応えがない。確かに幻獣に斬撃を浴びせたはずだ。 セシルがあわてて後ろを振り向くと、そこには全くダメージを受けていないドラゴンがいた。 「愚かな。私の身体は霧。故に私を斬る事など…」 幻獣はセシルの方に向き直り、高く舞い上がると、 「出来ないのです!」 牙をむき、暗黒騎士めがけて突進する。龍の牙はセシルの肩を捕らえ、高々と持ち上げていく。 「セシル!」 戦友の名を叫び、カインは高く飛び跳ねた。ドラゴンの真上まで達すると、そこで槍を振り下ろした。 幻獣は口で持ち上げていたセシルを放すと、カインの攻撃を避けた。二人から離れ、一旦距離を置く。 幻獣が充分に離れるのと同時に、セシルが岩の地面に叩きつけられる。 「大丈夫か!?」遅れて落ちてきたカインが、友の肩の傷にポーションで応急処置を施しながら続ける。 「しかし厄介だな…攻撃が全く効かないとは…」 「全くって訳じゃないよ、カイン。」傷を手で押さええながら、セシル。 「どういう事だ?」 「簡単な事さ」首をかしげる竜騎士に、セシルは続けた。 「奴は僕の方に噛み付いたし、頭を攻撃されそうになったら慌てて避けた。つまりあいつは頭が弱点だ!」

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