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「・・・ったく」
「タイクーンのやつらはいったい何を・・」
がやがやと騒がしいここは、カーウェンの町のパブである。
酒、料理、煙草、汗。これらが入り混じった臭いが充満している。
そのカウンター席に、バッツ達四人の姿があった。
手にはそれぞれ、酒の入ったグラスがあった。
「注文して酒飲んで、マスターの気前良くしてからでないとちゃんとした情報が聞けないぜ」
という、自分が飲みたいだけという魂胆が丸見えのファリスの言葉に乗せられてしまっていた。
まあ、言う事も確かではあるのだが。
仕事が一段落したのか、パブのマスターがバッツ達に水を差し出した。
「あんたら冒険者かい、どっから来たんだ、こんな船以外の交流がほとんど無い町によ」
「タイクーン地方さ、まあ色々あって船が流されて、船の墓場から命辛々脱出したんだ」
バッツが出された水を一気に飲み干してから言った。
「あんなとこから!あんたらまさか幽霊じゃねえだろうな、ハハハ」
「ところでマスター、オレ達ウォルスに行きたいんだけどよ。何か方法ねえか?」
ファリスが遠い席から、白ワインを空けながら言った。
マスターは目を伏せ、溜め息をついた。
「悪いがそれは今は無理だな。船が出れないのは知ってるだろ。空でも飛べない限りな」
「そうか・・・」
先ほどバッツ達は港にも行ってみたが、東の山々から降りる風も、海から上がる風も本当に微々たるものだった。
ファリスがふと、周りを見て言った。
「まだ昼間だってのに、なんでこんなに客が?」
「彼らは漁師さ。まあ、今回ばかりはどうしようもねぇからな」
バッツ達はここでの情報収集を諦め、渋るファリスを連れて帰ることにした。