FF5 63 飛竜14

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同時にマギサは、ファリスに向け洗練された動きで素早く鞭を振った。 唸りを上げ遅い来る鞭は動きを予測するのが難しいが、ファリスはそれを剣 で受け止めた。 「へへ、ちょろいぜ」 剣に巻き付いた鞭をマギサと引き合いながら、ファリスはニッと笑った。 青魔道士の真髄は、その眼力にある。 敵の攻撃を見極める事に長け、熟練の青魔道士は敵の体内で練られる魔力 の流れを見極めることもできるという。 「でかしたファリス!」 ガラフがここぞとばかりにマギサに突進する。 しかしファリスは気付く。鞭の引き合いをしていた時から、マギサが片手で鞭を 握っている事を。 そしてもう一方の手は掌をファリスに向けられていた。 マギサの意識と視線が、ファリスからガラフへと向けられる。 「ガラフ!魔法に気をつけろ!」 言うが早いか、マギサの掌はガラフへと向けられ、間髪入れずに魔法が放たれた。 ガラフは危険を察知し、受身の事など考えずに体を捻り、地面に突っ伏した。 ガラフの背中の服が弾け、服の生地が宙を舞った。そしてそこからプシュッと血が 噴き出た。 放たれたのは渦巻く烈風の塊り、風の魔法エアロだ。ガラフの体をかすめた魔法 はそのままガラフの後方へ流れていき、山の岩肌を削り取った。 「てめぇ!!」 マギサの意識がガラフに向けられた一瞬、ファリスは剣に巻き付いた鞭を素早く ほどき、マギサに斬りかかった。

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