一節 航海15

「一節 航海15」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

一節 航海15」(2007/12/13 (木) 04:35:12) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

 津波はもはや目と鼻の先まで迫っている。その高さは、ほんの数分前までそこにあった帆など、 ゆうに超えている。セシルは帆柱の根元に視線をやった。ヤンがギルバートと自分の身体を 柱にくくりつけている。リディアは・・、 「・・リディア? リディア、どこだ!?」  あわてて振り返ると、先ほどまですぐ後ろにいた少女の姿はそこになかった。愕然として船を 見回すセシル、彼女は瞬時に見つかった。リディアは無防備な甲板のど真ん中に膝をついていた。 駆け回る船員たちの波に押されて、転ばされていたのだ。 「リディア、逃げろーーッ!!」 「ば、馬鹿野郎!!」  気づけばセシルは縄を解き、船長の静止も耳に入らず飛び出していた。   リディアが走りよるセシルに気づいて振り返ったそのとき、彼女の瞳は青に染まった。 「キャアァーーーー」 「リディア!!」  甲高い叫び声は、すぐに消えた。  神を傷つけた咎が海の怒りを呼び、ついにその鉄槌が彼らに振り落とされた。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。