二節 試練3

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何と言うことだ。ローザを助けるどころか、皆をみすみすとこんな目に遭わせてしまった。 「みんな、すまない……」 だが、どんなに謝っても償いきれる事ではない……それでもセシル は今は亡き仲間達に懺悔し続けた. 「くっ、ううぅぅ……」 蒼の瞳から涙がこぼれ落ちる。それはセシルがバロンを出てから初めて流した涙であった。 拳を振りかざし砂浜に何度も打ち付ける。 何故、自分はみすみす生き残ってしまったのだ、 やり場のない怒り、残されたものの虚脱感がセシルを支配していた。 「こんな僕につきあってしまったばかりに……みんなは……」 セシルはそのまま打ち震え、泣き続けた。打ち付けた拳には激痛が走る。 それでもセシルは砂浜に拳を叩きつける。そうするしかなかった。 何故だ……? どうしてこんな事になったのだ。そんな疑問に答えてくれる者は誰もいない。 「みんなを……」 うなだれるセシルの口から小さな声が漏れる。 「返せ……」 その声は先程の声少しだけ大きかった。そして…… 「みんなを! 返せぇぇ!……」 セシルは叫んだ。今までで一番大きな声で。やがてそは山彦となりセシルに 返ってくるする。 日は傾き、今日と言う日は終わりを告げようとしていた。

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