二節 試練18

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とっさに身を引くセシル。  しかしそんな彼をよそに、どういうわけか横の二人は、うんざりとした様子で顔をしかめる ばかりだ。不安げに煙と二人を見比べていると、やがて、 「とうっ!」  間抜けなかけ声。  颯爽と煙から飛び出して来たのは・・・・・男の子だ。  おかっぱ頭のその少年は、礼儀正しい少女とは対照的に、進んで無遠慮を誇示せんとする ばかりにポケットに手を突っ込んだまま、じろじろとセシルを眺めまわした。 「・・おめーがあの時のバロンのやつか」 「君は・・?」 「オイラはミシディアが誇る天才魔導士、パロム様だ! よく覚えとけよっ!」  そういうとまたかけ声とともに飛び上がり、なにやら妙なポーズを取り出す。  呆気にとられ、セシルは恐る恐る長老に尋ねた。 「あの・・まさかこの子たちが?」 「さよう、双子の魔導士パロムとポロムじゃ。まだ幼いがその素養はわしが保証しよう」 「・・・」 (冗談じゃない・・)  声を失う彼の背中をパロムが小突く。 「おい、じーさんの言いつけだから仕方なく手を貸してやるんだからな。ありがたく思えよ!!」 「パロム、無駄口を叩くでない! おぬしらの修行もかねておるのだ!」  唖然としたまま、セシルはもう一度双子を見つめ直してみた。  ポロムと呼ばれた少女の方は、その言動もさながら確かに年不相応にませた顔つきをしては いるのだが、・・やはり女の子だ。それもリディアよりさらにひと回り小さい。魔物にあったら たちまち泣き出してしまいそうだ。  パロムの方はというと、ませたというよりもヒネた顔で、どうやらこの年頃の男の子を象徴する ような悪戯ものらしい。勇ましいのか、無鉄砲なのか、どちらにしてもとても援護になどなりそう にない。

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