三節 山間9

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パロムの言葉通り、丘の上には人影が一つ立っていた。 「テラ……」 丘の上の人影-ー老人は確かにテラであった。 テラはダムシアンが落ちた日、唯一の血のつながった愛娘を失った。そしてゴルベーザへの 復讐を誓い、セシル達と快を分かった。以来消息は掴めぬままであったのだが。 「まさかこんなところで会えるとは」 セシルは率直な意見をこぼす。 「何と! セシルか!」 テラの方もまったくの同意見のようであった。 「あなたがテラ様!」 急にポロムが驚いたような声を上げテラの方にやって来る。 「へえ……爺ちゃんがあのテラか……」 パロムも驚いているが、直ぐに納得したのかテラを見ながらうんうんと頷いている。 「二人とも知ってるのか?」 「おうよ……ミシディアでは凄く有名だぜ。賢者テラ。創生期のミシディアを発展へと 導き、封印された古代魔法を解き、それを元に数多くの新しき魔法を開発した人物。今おいら達が使ってる魔法の幾つかも このじいちゃんが造ったんだぜ」 今だ驚きを隠せずにいるポロムに代わりパロムが説明する。 まるで自分の自慢をするかの様な語り口だ。

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