FF5 63 飛竜17

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一瞬我を忘れたマギサは、ハッとして空中で体勢を整える。 しかしもう遅すぎた。 マギサは今断崖へと向かって空中を進んでいる。そのまま行けば何とか崖に落ちるか落ちないか、というところだろう。 ファリスが、かすかに震える掌をマギサへと向けた。 「アッ・・・」 思い出す。つい数秒前、マギサがガラフへと放った魔法。そのときのマギサを流れる魔力の練られ方、流れ方・・・全てを。 その手に流れる自らの魔力を感じ、解き放つ! 「エアロ!!」 放たれた風の塊は、マギサの服と体を引き裂きながら、吹き飛ばす。 エアロ、そして特大のファイアと連続して魔法を放ったマギサは、瞬時にさらに魔法を放てるほどに魔力を練ることができ なかった。 下級の風の魔法、しかしマギサほどの体重の人間を2mほど空中で押し出すには十分な威力だった。 「ウ・・・アアアアアアアアアァァァァ・・・ァァ・・・・・・ァァ・・・」 マギサは、そのまま深緑の中へと消えていった。 「バッツ!レナ!」 ガラフとファリスが同時に振り向いた。 バッツは口から血を流していたが、フォルツァに剣を突きつけていた。レナも後ろからロッドを突きつけている。 状況は明白だ。 「見たとおりだ。アンタの相方は死んだ。先に仕掛けてきたのはそっちだし、文句を言われる筋合いはない。・・・・まだ 続けるのか?」 淡々と、それとも感情を付ける余裕もないのか、バッツが告げた。

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