第1章 SeeD-53

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「なによ、もしかして、好きな子としか踊らないってヤツ?」 勝手に決めつけ、彼女は一方的に喋りだす。 「ふ~ん・・・私のことが、好きにな~る、好きにな~る♪」 俺の眼前で指をクルクル回しながら、彼女は言った。呪文でも唱えるかの様な、妙な節回しだ。 「・・・ダメ?」 小首をかしげ、ニッコリ笑顔で聞いてくる。 勘弁してくれよ・・・正直、この手のノリにはついていけない。 「踊れないんだ」 俺はぶっきら棒にそう応じたが、もちろんこれは嘘だ。 任務を遂行する上で、パーティに紛れてターゲットに接近する必要が生じるかもしれない。 そんな事態を想定して、俺達はパーティでの振舞いについても、一通りのことはマスターしているのだ。 「いいからいいから。私が教えてあげる。行きましょ」 俺の胸中など意に介す様子もなく、彼女は再び俺の手をとった。 仕方がない。気は進まないが、このままでは解放されそうにない。 俺は彼女に従って、ダンスホールへ向かうことにした。 「なんだ、ダンスできるじゃない」 アイズ・オン・ミーの調べに乗って、俺達は軽快にステップを刻んでいく。時折高度なターンも交えつつ・・・ 「とっても上手よ♪」 少し上気した顔で彼女は囁いた。 それにしても彼女、何者なんだ・・・そういえば自己紹介がまだだった。 「俺の名はスコール。あんたは?」 しかし彼女は俺の問いかけを聞いてはいなかった。あっ、と小さく叫ぶと同時に俺のもとを離れ、 そのまま駆け出して行ってしまったのだ。 なんなんだよ、一体・・・探していた人を見つけたのか・・・それにしても・・・ 一人取り残され、俺はしばし呆然としていた。

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