第1章 SeeD-55

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「スコール」 ジャストタイミングと言うべきか。先程例えた「物好き」な一人が話しかけてくる。 「なんですか……先生」 俺は少しばかり、無愛想な返答を返す。 「もう……折角のお目出度い日なのに、何よその態度は」 あまりに素っ気のない返答に、キスティス先生は少しばかり不機嫌そうな態度をする。 「そう、SEEDになったんだからもう少し嬉しそうにしたらどうなの? 私も……教官と して……だった者としてはとても光栄に思ってるわ」 「…………」 その。指導者としてお決まりといったばかりの台詞を俺はウンザリしながら聞き流していた。 俺の思考は未だに先程の事を考えている。 「それにしてもあなたは本当に成績優秀ね。何をやらせても文句の無い人ね…… 実戦、筆記……それにダンスとか……」 「!」 ベタ褒めする言葉――厳密にはその最後の言葉に、俺は思考を咄嗟に打ち切り、先生を方を振り返る。 「ふふ……」 まるで興味無しといったばかりに、無視を続けた俺を振り向かせた事に、少しばかり 勝ち誇った感じで笑っている。 「おかげ様で……」 俺は、取りあえずといったばかりの適当な言葉を返しておく。

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