第1章 SeeD-57

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「でも、あんた先生だろ? ……あんたはここの先生で、俺はあんたの生徒。先生が自分の側で ずっと黙ってるのは嫌な気分だ」 もういいだろ。この話は終わりにしよう。その一心で俺は切り出した。 先生はあくまで集団の生徒という者を受け持ち、その全員をきちんと公平且つ責任をもって指導する。 俺は教鞭をとる者はそう在るべきだと思っている。 だからこそ、このような状況で――プライベート中な生徒一人に対し、個別に話しかけてる事は 指導する者としてどうだ? と思ってさえいる。 今朝の炎の洞窟の様な、指導者と生徒の立場で目的を持っての行動ならば例外であり、正しい 行動だとは思うのだが…… 以上を俺の持論として、無視するとしても、一人の生徒に対し、先生が黙ってる事に いい気分をする者はそうそう居ないはずだ。 尚かつプライベート――少なくとも今のような状況では理屈抜きで嫌な気分、めんどくさい気分、 例え、彼女に好意的であったとしても、なんらかの気まずい気分さえしてしまうのは誰だって同じだろう。

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