第1章 SeeD-58

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「ああ……そうだったわね。すっかり忘れてたわ……大丈夫かな私……」 今の言葉に少し動じたのか、声の張り合いが多少落ちた用に思えた。 「命令よ! あなたはこれから私と一緒に、通称「秘密の場所」に言ってもらいます」 「秘密の場所?」 聞き覚えの無い言葉を思わず声に出す。 「消灯時間後に、生徒達がこっそり会って話しをするところよ 訓練施設を越えたところにあるの」 ガーデンの施設は消灯後、その殆どが使用不可能になる。だが、訓練施設だけは 例外だ。日々鍛錬する者の為、二十四時間ずっと開いている例外中の例外の場所なのだ。 それを逆手にとって、消灯後も未だ遊び足りぬ者達が、こぞって集まる所という事か。 「そこで何をするんだ?規則違反だから部屋に戻れってみんなに言うのか? 俺はそんなのは,嫌だからな.風紀委員にやらせろよ」 ご苦労な事だな。わざわざ訓練施設を越えるという危険までおこしてまで何がしたいんだ。 夜中に集まる者、それを止める者――物好き同士勝手にやってろ。 「私服に着替えたら訓練施設入口に集合。いい? これは私の最後の命令よ!」 「最後」という言葉。それに、一連の会話の中でも一番とも思われる勢いのある声には 拒否や否定と言った言葉を返す力を失わせる力があった。 結局、俺はその命令を拒否する事が出来ず、パーティーの後、訓練施設へと向かう事になった。

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