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子供部屋 小さな看護婦
うぅ……
苦しげな声に、はっとして目を覚ました。
目の前の子供用のベッドに寝るデンゼルが、痛みで目を覚ましたようだ。
彼の額を覆うガーゼが黒く汚れて布団に落ちた。
看病の途中で寝てしまったのは今日が初めてだ。
遅くまで店に出ていたティファを気遣い、慣れない徹夜をして看病したせいだろう。
重たそうに腕を上げて、額に触れるデンゼル。
少し顔をしかめた後、少し顔をずらしてこちらを向くと、
「なあ マリン?どうなってる?」
と、掠れた声で聞いてきた。
きっと、怖いのだろう。
真っ黒に濡れた額を元に戻す方法は、見つかっていない。
星痕症候群。悪魔のような病気。
なす術も無く、子供達の多くはその痛みと体力を奪う力に倒れて行く。
彼の額も、前に見たときよりほんの少し酷くなって来ている。
泣きたくなった。でも、それは彼を絶望させるだけだ。
泣きそうになりながら、ほんの少しだけ笑った。
(神様、お願いです。もし居るのなら。
お願いです。どうかデンゼルを連れて行かないでください。)