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クラウドがヒーリンを目指してバイクを走らせてから数分後、
地面に突き刺さった墓標代わりのバスターソードの前に、3台のバイクが現れた。
3台とも、クラウドのものに近い――つまり、ありえないほど巨大な――サイズで、
車体の外観はどことなく生物的だった。
バイクがバスターソードを囲むように停車する。
中央のバイクに乗っていた男が、邪魔臭そうに墓標を蹴り飛ばした。
バイクを駆って現れた3人は、みな髪は銀色で、上から下まで黒一色のスーツに見を包んでいる。
彼らは暫くの間、眼前に広がる、荒廃しきったミッドガルを眺めていた。
「なあカダージュ、あれが兄さんの街か?」
流れるような長い髪を揺らし、鋭く冷たい眼を持った3人の内の一人が問う。
「ああ…」カダ―ジュと呼ばれた男が答えた。
3人の中では最も小柄で、美少女にも見違えそうな童顔だが、瞳に宿る狂気の色は3人の中で最も強い。
「歓迎してくれると思うか?」
最初に声を発した長髪が、申し訳程度にまた訊いた。
「無理、無理」少し笑いながら、カダ―ジュ。
「ハッ、泣くなよヤズー」
それまで無言だった男が、からかうように言った。他の2人と比べてかなり筋肉質で、大柄な男だ。
「母さんも一緒なんだよな?」
大柄な男を無視し、ヤズーが念を押すように問う。
「どうかな…」カダ―ジュの答えは自信が無さそうだった。
「泣くなよロッズ」
今度はヤズーがからかう番だった。見ると、ロッズと呼ばれた大男はしゃくりあげ、泣き出している。
その時、カダ―ジュが遠くに何かを見つけ、言った。
「ほら、兄さんだ」
ヤズーはカダ―ジュが視線を送っている先を鋭く見やり、ロッズも間抜けな声を上げて泣き止むと、同じようにした。
その視線の先には、バイクに乗って遠ざかっていくクラウドの後ろ姿。
それを見て謎の3人組は一様ににやりと笑った。ヤズーとロッズは邪悪な笑顔のまま顔を見合わせると、
エンジンを派手に吹かし、急発進した。