FF7AC Each heart, Each thought6

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ふと、目を閉じ、旧友との思い出に思考を巡らせる。 ザックス。クラウドが神羅カンパニーの兵士だった頃に、唯一人、親友と呼べた人物。 (ソルジャーになりたい?がんばれよ!) 力強く励ましてくれた、彼の横顔が目に浮かぶ。 (おい、気分はどうだ?) …これは輸送トラックの中で乗り物酔いした時だったか。 (なあ、ミッドガルについたら…) この時、奇妙な事が起こった。 思い出に浸っているクラウドの脳裏に、なにか、全く知らない映像が割り込んできたのだ。 誰かが眼前に跪き、上目使いでこちらを見ている。淡いグリーンのその人物の瞳が、次の瞬間、深い蒼色に変わった。 (トモダチ、だろ?) ザックスの思い出と謎のヴィジョンがごちゃ混ぜになる。 左腕が灼けるように痛む。足がふらつく。なんとか立っていようとする。無駄な努力に終わった。 見知らぬ誰かの顔が他の誰かの顔と重なる。それは忘れもしない、あいつの顔。 ――セフィ(クラウド、逃げろ!) ザックスの叫び声が脳内に響く。クラウドは目を開けた。天地が逆転していた。 その風景を見たのを最後に、頭の中が真っ白になった。 同じ頃。 マリンは上機嫌で、鼻歌を歌いながら花をいじっていた。 ティファの方は少し不機嫌で、壁に寄りかかって腕を組んでいた。 教会を訪れてから早一時間。クラウドが現れる気配はない。バーにほったらかしにしたデンゼルの事も心配になってきた。 もう今日は諦めよう。そう思ったティファがマリンにそろそろ帰ろうと声をかけようとした、その時。 教会の扉が、バタンと荒々しい音を立てて、乱暴に開かれた。 「あっ!」と声を上げ、開け放たれた扉に駆け寄る。が、ティファが途中で制した。 現れた人物は、クラウドではなかったからだ。

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