FF7AC Each heart, Each thought7

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入ってきたのは大柄な男だった。 銀の髪を角刈りにし、左腕になにやら危険そうな武器を装備している。 ドスン、ドスンと大袈裟な足音を響かせながらやってくる男に対し、 ティファとマリンは、寄り添うようにして後退した。 しばらくして、男は膝を折り、視線の高さをマリンと同じにしてから、言った。 「遊ぼうか」 マリンは怖がるような目つきを男に投げつけた。 「…そうか、嫌か」 残念そうに呟くと、今度は「母さんは?」と訊いてきた。 ティファには男が何を言っているのか全くわからない。当然といえば当然だ。 一方で男の方は、足下に広がる花畑をなにやら厭そうな目つきで見ていた。 何だろうかと訝っていると、やがて「くせぇ!」と吐き捨てるように言い放った。 それからティファ達に向き直り、もう一度訊いた。 「なあ、母さんは?」 「誰もいないわよ!」 今度はティファが即座に言い返す。 すると男はなぜか泣きそうな顔をした後で、「じゃあ、遊ぼう」と、今度はティファに向かって言ってきた。 …どうも話が通じる相手ではないらしい。それに、何やら危険だ。 そう感じたティファは、マリンに何処かへ隠れているよう耳打ちし。 ハーフパンツのポケットから、黒いレザーグローブを取り出して填めると、ファイティングポーズを取った。 バーに強盗や盗人が現れた時は、ティファはいつもこうする。 「こりゃあ楽しみだ」 それを見た銀髪の男、ロッズも、格闘の構えに入る。 ティファは深く息を吸った。 一瞬の沈黙。静寂。そして、戦いの火蓋は唐突に切って落とされた。

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