FF7AC The shadow of brothers5

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たちまち、マリンの顔が恐怖に染まる。 ロッズの筋肉質な体は、彼女と比べるとあまりにも大きい。 ゴツ、ゴツ、という大袈裟な足音が、余計に恐怖感を煽る。 ティファは起き上がろうとしているが、出来ない。 「…逃げて!!」 叫んだが、どうしようもなかった。 同じ頃。 復興都市エッジのある路地で、デンゼルが額に鋭い痛みを覚えた。 たまらず、額を押さえてその場にうずくまった。 暫くそうしていると、痛の波がひいた。 ティファとマリンが「ちょっと出かけてくる」と言い残してセブンスへブンを出てから、2時間も経っていた頃だ。 デンゼルは2人とも店を空けるとき、こうしてこっそり外を出歩いていた。 出歩くと言っても、これといった目的があるわけではない。ただうろうろと歩き回るだけだ。 たった独りでバーの子供部屋に取り残されるのが、怖くてしかたなかったからだ。 マリンもティファも傍にいてくれない時にベッドでじっとしていると、額の星痕が体力を徐々に奪っていくのがわかる。 暗い、じめじめした、厭な重圧が、小さく弱い身体の全体にのしかかるのを感じる。 デンゼルはその着々と忍び寄ってくる死の足音が怖くて、街に出て、人々が行き交う足音で耳を塞いでいるのだった。 額を指でなぞってみる。まだちくちくと痛む。 顔をしかめて座り込み、そろそろ帰ろうかなどと考えていると、目の前に誰かが現れた。 女の子だった。歳はデンゼルとあまり変わらないだろうか。 「…君も星痕だよね?」 出し抜けに訊いてきた。見ると彼女も、モーグリのぬいぐるみを持った右腕から首筋にかけて、星痕の黒い痣を持っていた。 「行こ。治してくれるんだって」 デンゼルが口を開く前に言うと、少女は彼の手を引いて、強引にどこかへと連れ去ってしまった。

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