FF7AC Hesitate1

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不意に、意識が取り戻された。 目を開けると、それはどこかの寝室、そのベッドの上。 壁に、クラウドとティファの子供らしい似顔絵があることから、セブンスへブンの寝室だとわかった。 クラウドは起きあがると、隣のベッドにティファが、意識を失ったまま横たわっているのを見つける。 ……また、助けられなかった? そこまで思い至ったクラウドの胸中に一つの感情が滲み出す。それは、後悔。 どうすることもできず立ち尽くし、ティファの安らかな顔を見つめるクラウド。その背後に、2人の男が立っていた。 「…重かったぞ、と」 クラウドが振りかえる。そこにいたのは、レノとルードだった。 「…あんた、子供達と住んでいるって話だったよな」 クラウドが口を開く前に、ルードが話し出す。 その抑揚のない口調に伴う重苦しさに、クラウドは厭な予感を感じる。 「空っぽだ。どこにもいねえよ」 その予感を裏切ることなく、レノがお手上げだと言う風に言った。 「…どこにも、いない?」 まだ後悔の念に沈みながら、クラウドが復唱する。 タークスの2人は沈黙で答えた。重い空気が、あたりに充満する。 「…いいのか?」 やがて、ルードが短く訊いた。 「俺は…」 のろのろと答えようとしたクラウドは、そこで言葉に窮してしまった。 ―――俺は…なんだ? 俺はどうしたらいい?どうしろって言うんだ?人ひとり助けられない、この俺に? またも、沈黙が辺りの空気を支配する。ルードがもう一度「いいのか?」と訊いたが、それでも口を開かない。開けない。 たっぷり20秒間待った後、レノは失望したようなため息をついた。 「じれったいぞ、と」 煮え切らないクラウドにそれだけ言い捨てると、全ての興味を失ったように寝室から出て行く。 ルードもサングラス越しにクラウドを冷たく一瞥すると、後に続いた。ドアを閉める音が、いやに大きかった。 クラウドは何もせず、何も言わず、その場に立ち尽くしたまま2人を見送った。

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