FF7AC The strange children1

「FF7AC The strange children1」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

FF7AC The strange children1」(2007/12/13 (木) 07:13:52) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

その日は、月が出ていた。寒々しい夜だった。 忘らるる都。その中心に位置する湖に、カダージュ達はいた。 なんの因果か、かつて彼女が葬られたその湖の傍らに。 「兄さんが隠してたのか…」 半ば有頂天になりながら、誰にともなく言うカダージュの足下には、ロッズの持ちかえった「手土産」が置かれていた。 そう、クラウドのマテリアだ。 「ライフストリームから生まれた力…」 ほくそ笑みながら、頑丈そうな箱からマテリアを取り出し、顔にかざしてまじまじと眺める。 星の知識と力を凝縮したその結晶は、淡い美しい光を放っている。たぶん、下手な宝石よりも綺麗だ。 その輝きを後ろに立っているヤズーとロッズにも見せてやろうと振りかえる。と、あるものが目に入った。 小さい女の子が、ロッズに肩の辺りを押さえつけられるようにして立っていた。 それはロッズの手柄の、ちょっとしたおまけ。 星痕は持っていないようだが、ロッズ曰く、「おもしろい遊び相手」なのだそうだ。 名前は…そういえば知らない。 とりあえず、にやりと笑いかけてやる。怖がると思ったが、きつい目つきで睨み返された。 なるほど。確かにおもしろい。その度胸が気に入って、カダージュはもう少し脅かしてやろうと思った。 「これで僕達も新たな力を…」 呟くと、右手に持っていたマテリアを左の手首にあてがう。 と、マテリアがそのままカダージュの腕に埋没し、丸ごと取り込まれていく。 大きさにして握り拳ほどもあるマテリアが、だ。 背後から息を呑む音がしたが、カダージュは無視してマテリアを腕に押しつけ続け、ついには完全に埋めこんでしまう。 腕の中に取り込まれてもなお、マテリアは淡い光を放ちつづけている。 その光景は、彼らが生身の人間ではなく、思念によって創り出された存在である、何よりの証。 少女を見る。流石にこれには驚かされたらしい。いい気味だ。 それに満足して、カダージュは大声で「驚いたかい?」と言い、湖の方へ向き直る。 湖を挟んだ対岸、そこにはヤズーの持ちかえった手柄が、数十人の子供達が集まっていた。 どの顔も一様に、カダージュの光る腕に半ば驚き、半ば怯えた様子で立ち尽くしている。 ますます満足したカダージュは、再び口を開いた。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。