FF7AC The strange children7

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重量にして数百キロに達するフェンリルが派手に横転し、黒塗りの車体が音を立てて地面を這う。 クラウドの体も宙を舞い、地面を無様に転がった。 魔法の閃光を受ける寸前、とっさに回避してなんとか直撃は防いだし、地面はほとんど砂なので叩きつけられてもそれほどのダメージにはならなかったが、それでも全身を鈍痛が走っていて起きあがれない。 クラウドが顔を上げると、先ほどの刀を持った男―――おそらく、この男がカダージュだ―――がこちらを見下ろしていた。 「やっぱり来たね!」 カダージュの声は甲高かった。その淡いグリーンの目には狂気が宿り、子供のような顔には狂気じみた笑みが浮かんでいる。 狂気の滲む目で睨まれた瞬間、左腕の星痕が灼けるように痛んだ。 「子供たちを迎えに来た」 呻き混じりでクラウドも言い返す。カダージュはやたらと嬉しそうな様子で、辺りをうろうろと右往左往し始めた。 「この人はねぇ!僕達の兄さんだ」 周囲を取り囲んでいる子供たちに向かって、甲高い声で叫ぶ。 「…でもねぇ、残念だけど」 かと思ったら、次に口を開いた時、その声は異様に重く、冷たくなっていた。言動のどれもが意味不明だ。 「裏切り者なんだよ」 言い放ち、クラウドの首筋に刃が2枚ある刀をつきつけた。 クラウドはカダージュの氷のような目を睨み返していた。応戦はできない。持っていた剣は転倒の際に投げ出されてしまった。 カダージュがゆっくりと刀を振りかぶる… その時、一つの叫び声が状況を変えた。 「クラウド!」 マリンだった。 カダージュがその声に気を取られたのは一瞬の事だった。が、クラウドにはそれで充分だった。 カダージュのすぐ足下に、セカンド剣が転がっていたのだ。 即座に剣を拾い上げ、隙だらけのカダージュのわき腹を斬りつける。 が、カダージュはすぐに攻撃を察知し、真上に飛んで避けた。 子供たちの輪の外に着地するカダージュ。クラウドはすぐさま追撃しようとしたが、できなかった。 それまで無言で人垣を作っていた子供たちが、クラウドめがけて一斉に殺到きたからだ。

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