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「奴らが社長をエッジに連れて行って何をしでかすつもりかは知らないが…まあ、だいたいの察しはつく」
だいたいの察しはつく。クラウドも完全に同意見だった。もちろん、マリンもだ。
クラウドに抱きついている少女の腕には異様なほどの力が入り、震え始めているほどだった。クラウドは片手をハンドルから離し、その腕を努めてやさしくさすった。
「…俺にどうしろと?」
なんとかマリンを落ち着かせようとするクラウドに、ツォンはあくまでも冷静に答える。もう真顔に戻っていた。
「どうしろとは言わない。ただ…」
「先輩、そろそろ行かないと」
女の声が会話にとつぜん乱入してきた。クラウドが声の元を見やると、ヘリの操縦席からイリーナが顔を出していた。2年前と比べて初々しさが抜けている。秀でた額から血を流した跡があった。
ツォンはヘリの中に体をすべりこませながら、言いかけた言葉を口にした。
「ただ、伝えておいたほうがいいと思ってな」
そしてドアを閉め、クラウドがジェノバの在り処やその他もろもろのことを問いただす前に、さっさと飛び去ってしまった。
「…どうするの?」
東洋系の男との話を聞き、すっかり不安になってしまったマリンが問いかける。
ルーファウスという人についてはよく知らないが、デンゼルや子供たちをさらった者達がエッジに向かっているという情報の意味するところは、彼女でもわかりすぎるほどわかるのだ。
クラウドは黙り込み、大型ヘリの巨体が地平線に消えるまで見送ったあと、口を開いた。
「…マリン、やっぱり戦うしかないみたいだ」
その声には憂いが混じっていた。
「でも…」「俺じゃあいつらには勝てない。とめられない」
マリンは言いかけた言葉を、クラウドの憂い混じりの声がひきつぐ。
だが、次のクラウドの言葉からは、その憂いは追い出されていた。
「それなら…それなら、別の手がある」そして、決然とした声と眼でマリンのほうを振り返る。
「マリン、ちょっと降りてくれないか」
マリンが言われたとおりにバイクから降りると、クラウドも一旦バイクを折り、さっきまで座っていた革張りの座席を外す。座席を外した部分は、よくあるトランクのような収納スペースになっていた。クラウドはその中に手を突っ込み、中から
見るからに古い型の携帯電話を取り出した。
「それって…」
「ごめんな。これで先にティファに電話すればよかった」
訝しげな顔をしたマリンにそれだけ言うと、クラウドは手作業で番号をダイヤルし始めた。