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ティファはベッドに座り込んだまま、壁にかかっている時計を見た。すでに深夜の3時を回っている。
セブンスヘブンの寝室で、彼女はただただクラウドからの連絡を待ち続けていた。
が、彼が忘らるる都へ向かってからかなりの時間がたっている今も、電話の一本もかかってこない。
ロッズとの戦闘で受けたダメージはもう回復しているが、時間とともに不安がつのり、次第に落ち着きを失っていくのが自分でもわかった。
やきもきした思いで立ち上がり、窓に歩み寄って空を見上げる。暗雲がたちこめていて何も見えない。ベッドに戻って座り込み、しばらくするとまた時計を見、立ち上がって窓を見てを繰り返した。
「…そろそろ寝たらどうだ」
そんなティファに、後ろからルードが声をかける。今夜でもう3回目の提案だった。
タークスの2人もまだセブンスへブンにいた。レノは同じところを何度も行ったりきたりし、ルードは部屋の隅に立ったままほとんど動かない。
「神経が参るぞ」
ルードはさらに言う。無骨な口調だが、気遣わしげだった。
「こんな時に寝ていられるほうが、どうかしてると思うけど」
ティファはそれだけ言って窓に視線を戻した。神経が参るほど待つのは、今に始まったことではない。
「………」
ルードは低くうなって、寝室を出て行った。階段を下りていく音が聞こえる。
それから30分ほどして戻ってきたルードの両手には、コーヒーの入ったマグカップが握られていた。
驚いて目を丸くするティファとレノ。
「…徹夜にはこれがいい」
ルードはゆっくりとティファに歩み寄り、左手に持ったカップを差し出した。
「…あ、ありがとう」
ティファはこぼさないように慎重にマグカップを受け取り―――わかりやすいところにお盆が置かれていたはずだが、あえて言わないでおいた―――淹れたてのコーヒーを飲んだ。苦い。
ルードは妙に満足げな様子で、右手に持ったカップを口に運んだ。
「おい、俺の分…」
「…自分で淹れて来い」
相棒の邪険な言いように、レノはかーーっと呻いた。
ティファは、少しだけ笑った。