「FF7AC Keep Waiting3」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
そして、独り寝室に残された彼女は、今もまだ待ち続けている。
だが、やはりというか、セブンスヘブンの固定電話機がなる気配はない。1時間がたち、2時間がたち…ティファはその間、レノに伝えられたことを頭の中で反芻していた。
カダージュ達がこちらに向かっているという事実は、クラウドの失敗を意味している。
それならクラウドは、そしてデンゼルは、マリンは、子供たちは一体どうなったのだろう。今のティファにはなにもわからない。
一晩中抱えられ、肥大し続けたティファの不安は、いまや耐え難い焦燥に変わっていった。
どのくらい時間がたったか、ティファは店の外がにわかに騒がしくなってきた。
窓から外を見ると、通りは何人もの人でごったがえしていた。人々は皆騒然とした表情で、先を急ぐように街の中央へと走っている。
ただならぬ雰囲気を感じたティファは店を出て、通りかかった人の一人をつかまえ、訊いた。
「あの、なにかあったんですか?」
「あんた、知らないのか」
その中年の男性は切迫した様子で答えた。
「中央広場の記念碑を壊そうとしてる奴らがいるらしい。それで、そこに昨日から見当たらなかった子供らもいるんだと」
ティファはもう一瞬たりとも待てなかった。気がついたときには、群集に混じってエッジの中央に立つ記念碑へと走っていた。
皮肉なことに。
あと少し、あと5分だけ待てば、あれほど待ち続けたクラウドからの電話に出られたことを、彼女は知らなかった。