FF7AC Violators4

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 話に聞いたとおり、記念碑は破壊されかけていた。頂上の円盤状になっている部分には大穴が開いており、張られているワイヤーの何本かが千切れ、だらりと垂れ下がっている。  その下に、子供たちが記念碑を囲むようにして立っていた。  ティファはその姿を見て、息を呑んだ。  立っていたが、しかし。  眼前で繰り広げられる殺戮にも、絶えず上がる悲鳴にも、派手に飛び散っては顔や体に降りかかる鮮血にも、何の反応も示さず。ただ無表情で、ただ、そこに、呆然と、立っていた。  異様。  その光景は、異様としかいえなかった。  正面からモンスターが猛然と突っ込んで来た。さらに後ろからも、食いちぎられた人の足をくわえて引きずりながら、もう一匹。  (………!!)  ティファはそこで一瞬棒立ちになったが、すぐに正面から来る敵に向かって走り出した。モンスターは獲物が自分から飛び込んでくると見るや、醜悪な口を大きく開き、中に溜まっていた血と唾液をまき散らしながら跳躍した。  だが。  次の瞬間、ティファは獣よりも高く跳び、すれ違いざまに、モンスターの眼球を踏み潰した。  反動でさらに高く舞い上がったティファは、下から聞こえる悲痛な吠え声を無視し、再び記念碑の子供たちへと目をやる。  その中に、見覚えのある子供が、いた。  着地する。血糊で足が滑った。後ろから人の足をくわえたモンスターが追ってくるのを認めると同時に、脚を突き出してかがんだまま一回転する。  足を払われた獣は、走ってきた勢いのまま、顔面から地面に激突した。  頭を潰されてのたうちまわるそのモンスターを飛び越えてしゃにむに走り、やっと記念碑の前までたどり着いたティファの目の前にいたのは―――  「デンゼル!」  息を切らしながらデンゼルに走りより、その両肩をつかむ。デンゼルはうつむいたまま、やはり何の反応も示さない。  「…デンゼル?………デンゼル!」  もう一度呼びかけてみても応じない。体を揺さぶると、そのはずみでやっと顔を上げた。    デンゼルの死んだ瞳に、ティファの憔悴しきった表情が映った。

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