FF7AC Violators5

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無様に逃げ回る人間たちを見、その惨めな死を眺めているうちに、ヤズーは気分が落ち着いてきた。血が昇った頭が冷えていくのを感じる。 「おい、ロッズ」 しばらくして、隣で肩を震わせているロッズに声をかけた。振り向いた顔は、みっともない泣きっ面だった。 「泣くなよ?」 言うと、ロッズは笑顔になった。 そして2人は、ここに来た本来の目的を思い出すことにした。記念碑に向き直り、輝く左腕を向ける。 と、背後から耳障りな声がした。 「何してるんだぁ?」 その軽薄そうな声を聞いた途端、ヤズーの神経がまた疼いた。  …あいつらか。 悲鳴と獣の耳に悪そうな吠え声が飛び交う中、レノとルードはゆっくりと、記念碑を破壊しようとしている2人組に歩み寄った。 レノの手にはすでに得物の電磁ロッドが握られ、ルードは革のグローブを締めなおしている。 ざっと5メートルの距離を置いて立ち止まる。そのまま互いに挑戦的な目つきで睨みあったが、やがてヤズーが沈黙を破った。 「母さんは…ここなんだろ?」背後の壊れかけた記念碑を親指で指して、言う。 「どうして?」ルードがすかさず言い返した。 「この…なんだ、記念碑?あんたらの社長がここに隠したって言ってた」 今度はロッズが、太い声のわりに幼稚な口調で言った。 「社長をさらうなんてなあ。お前らにしては頭使ったな、と」 「しかし、ハズレだ」 指で頭をつついて挑発するレノに、ルードが絶妙な合いの手を入れる。じゃあどこだよ、と言いたげに顔をしかめるロッズに、さらに「俺達も知らないぞ、と」と畳みかけ、ルードと一緒に陰気に笑ってやった。 事実、ルーファウスはジェノバの隠し場所を誰にも教えないし、レノもルードもあえて聞こうとはしなかったのだが、 「なんだ…信用ゼロだな、お前ら」と、ヤズーが痛烈な一言を返してきた。 これが気に障って、ヤズーを睨みつけるレノだったが、そこで不意に動きが止まった。 言い返す文句が思いつかない。 ルードを見る。視線をそらした。ヤズーを見る。何も言えない。ルードを見る。また視線をそらした。ヤズーを見る。やっぱり何も言えない。 奇妙な反復運動を繰り返すうち、レノは表情がどんどん情けなくなっていく。 で、結局。 「うおりゃー!」 レノ達の方から仕掛けた。

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