三節 山間20

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「何者だ!」 テラはその影に向けて疑問を言い放った。 急遽。姿を現した影は、一見すると粗末なローブを来た男の様に見えた。 いや、男とは言い切れないかったかもしれない。 何故なら、対峙したこの男からは生きている感じがまったく感じられなかった。 まるで冷たい死体が突然動き出したかのように冷徹な雰囲気であった。 「いかにも……私はゴルベーザ様に使える四天王の一人、土のスカルミリョーネ。 暗黒騎士とその仲間達よ……貴様達の息の根を止めに来てやったぞ!」 テラの疑問を悟ったかの様なタイミングでその男――スカルミリョーネは丁重に自己紹介を始めた。 「ゴルベーザ……」 やはり自分を……狙っているのか。でもどうして? もしかするとファブールに自らが出陣してきたのも指揮をとる為でなく、セシルに会いにきたのかもしれない。 バロンを手にするだけなら、一介の暗黒騎士――それも国を追われたものなどを いちいち相手にするのは何故だろう? ここまで固執するのには理由があるはず…… 「おい、いいからそこをどけろよ! おいら達は急いでるんだぞ」 思考に浸るセシルをよそにパロムはローブの男へ抗議をする。 「ふふふ……パラディンの試練を受けるつもりだろ。だが、そうはさせんぞ。 ふふふ……」 「無視すんなよ! 何が可笑しいんだよ」 高笑いを続けるスカルミリョーネに頭に来たのかパロムが声を荒げる。 「ふふふ……ははははは……」 「くーーー何なんだよ!」 「パロム! 危ない」 地団駄を踏むパロムに突如、側面から何者かが飛びかかってきた。

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