三節 光を求めて6

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「ローザはいったいどうなってしまったんですか!」 セシルは慌てた様子で老人に問いただす。 「そ、それがじゃな……」 セシルのいきなりの問い詰めに老人は困った顔をした。 「セシル、そんなに慌てて問いつめると答えれるものも答えられないわよ」 リディアはつい二人の間に割って入ってしまった。 昨日はあれほどまでに必死に自分を守ってくれたセシルがこんなにも取り乱してしまうのはリディアにとって面白い事ではなかった。 「わかっているよリディア……けど!」 そう言ってセシルは近くの椅子に腰掛けた、その様子はひどく焦っているようだ。 「じつはな……」 老人は再び口を開いた。 「彼女は数日前にこの街の近くでたおれておってのう、その時には既に砂漠の高熱病にやられておってな可哀想だがこのままでは……」 「!」 セシルはその老人の言葉を聞くと驚愕した、そしてはやる気持ちを抑え彼に尋ねた。 「なんとかならないんですか!」 「あいては高熱病じゃ、なんとかならないかといろいろ手をつくしたのじゃが一向によくならん 砂漠にあると言われる光さえあればな……」 老人はため息をついた、その顔には諦めが感じ取られた。
「光……それは何なんですか?」 セシルは訪ねる。 「高熱病を治すと言われてるものじゃ砂漠の光とも言われておる、だがそれがどんな物かも分からんし本当に存在するのかも定かではない」 「砂漠の光……それがあればローザは」 「まさか探しにいくというのか、無理じゃやめておけ!」 「だが、このまま何もしないよりは!」 そう言ってセシルは立ち上がりローザの手を握り小さな声で囁いた。 「待っていてくれローザ、すぐに助けてあげるからね」 セシルは老人に一礼した後急いで部屋を出て行った。 「ちょっと待ってよセシル!」 部屋に残されそうになったリディアは慌てて部屋を出ようとする。 「ありがとう、おじいさん」 振り返って老人に礼を言う、その時一瞬だけローザの方に眼をやる。 「…………」 とても綺麗な人──そして一途な人──それがリディアの第一印象であった。

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