三節 山間31

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「終わったのか?」 数秒間、液体、おそらくは血を流し続けて地面に転がるスカルミリョーネを見ていたセシルであったが、 その奇妙な姿に今だ勝利を確信できず、ついそんな疑問を口からこぼす。 だが、その様子からはもう生きてはいないという結論に達し、納得するかのように剣を納める。 「取りあえずは退けたのか……」 テラも少し疑念を抱いているかのような口調であった。 「ま、いいじゃねえか。そんなに深く考えなくてもさきっと大丈夫さ」 そう言った後、行く先に見える建物を指さす。 「ほらあれがパラディンの試練を受ける所だろ。ささっといかないと日が暮れちまうぜ」 指さす方向には確かに何かの建物が見えた。特殊な材質で作られたかの様な外装は既に傾きつつある 太陽の日を直に受け光り輝いていた。 あれが試練の間……あそこに行けば今の自分とも決別できるのか。 この忌まわしき暗黒騎士の烙印そして、崩れてしまった友や愛する者との関係も。 「そうすれば君ともお別れか」 セシルは先程まで身を友にした剣に目を落とした。 戦いが終わってまだ少ししかたってない為か、鞘に納められた今でも黒き波動を微量ながら漏らしている。 「感傷に浸るのはもうちょっとばかり後だ。早く行こうぜ」 セシルを現実に引き戻したのは背中を押しながら催促する様な声を上げるパロムだ。 「分かった」 もう少しだけ一緒に戦おう。剣を見てそう誓うとセシルは皆の待つ場所へと―― 「!」 歩き出そうとしたところで後ろから何かの気配を感じ振り返る。 だが、そこには二人の魔法で削れた地面が広がっているだけであった。 「どうしました?」 少しばかり心配した様子でポロムが顔を覗き込むかのように訪ねる。 「いや、何でもないよ。先を急ごうか」 確かに何かの気配を感じたような気がした。唯の思い過ごしであればよいのだが…… そんな嫌な考えを払うかのように、セシルは歩き出した。

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