三節 山間32

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山頂までには辿り着くための道中には一つの吊り橋が架かっている。 長年放置されていたのかその橋は酷く老朽化し、所々の木々が腐食し、足を載せただけで 崩れてしまいそうであった。 「やっぱりこれを昇らなきゃ駄目なんだろうな」 ぐっと息を飲みながら震えた声を口にするのはパロムだ。 「今更怖じ気づいたの?」 「別に……そんな事はないぜ。この程度の橋なんら問題ないぜ」 「ふーんじゃあ、あんたが一番最初に行く?」 「わっ! 分かったよ、そうするぜ」 そこまで言われたら黙ってわいられなかったのか。覚悟を決めたかのように歩を進み始める。 パロムが足を載せた途端、吊り橋はぶらりと左右へと揺れ動く。 「うわぁわーー! やっぱり怖い!」 猛烈な勢いでパロムはセシル達の元へ引き返してくる。 「あら、やっぱりね」 すっかり怖じ気づいたパロムを見て、意地の悪そうな顔でポロムが笑う。 「仕方ないだろう。怖いものは怖いんだから」 「僕が先に行くから。みんなは僕の後ろに付いてきて」 少しだけ見かねた様子でセシルは切り出す。 「本当か。ありがとよあんちゃん」 パロムはふうといった感じで胸をなで下ろす。 「じゃあ行くよ」 そっと足を踏み出す、またもや橋は大きく揺れ、歩を進めるたびにきしきしと音がし 今にも落ちそうである。

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