三節 山間36

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「ほらほらっ! どうした? いっその事、このまま麓まで突き落としてやろうか? そちらの方が苦しまずに死ぬことができるぞ」 崖…… そも言葉に触発されるかのようにセシルは目を下に落とす。 吊り橋を構成する、板と板の隙間からはうっすらともやに覆われた森が見える。 ここから落ちたら一貫の終わりであろう。 「そうだ!」 眼下に見える風景を眺めなが、セシルにはある一つの考えが浮かんだ。 「みんな大丈夫か」 「ええ」 いまだに続く攻防の中ポロムが返答する。 「みんな僕の後ろ、つまり山頂の方まで下がって。この場を何とかやり過ごす方法があるんだ」 そこで一旦言葉を切り、皆の様子を伺う。皆、何を始めるつもりなのか疑問に感じているようだ。 「とにかく見ていて。後、テラ……少し協力してほしいんだ」 後退を始めたテラにセシルが訪ねる。 「僕が指定した場所へ魔法をうってくれないか。威力の低いやつで十分だから」 「それならおいらも手伝うぞ」 パロムが会話に割って入ってくる。 「それじゃあ、お願いしようか。念を押すけど詠唱に時間がかかる魔法だと撃つ前に つぶされる可能性があるから……」 「逃げられると思うなよ」 話し込んでいる間にもスカルミリョーネはこちらに向かいだんだんとその距離を 詰めてきている。

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