三節 山間46

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その叫びがセシルの意識の完全に現実へと呼び覚ます。 「ほう……まだ起きあがれるだけの力が残っていたのか」 暗黒騎士の声がする。 ありがとうローザ……僕はまだいける! 彼女がいなければ自分はここで倒れていただろう。 「ああ、まだまだだ」 喉に突き付けられた暗黒騎士の剣を払い立ち上がる。 「だが、お前がこの試練の本当の意を知らん限りは何度やっても同じ事だ」 「何となくだけど……分かったようなするよ」 「何!」」 暗黒騎士の声に珍しく動揺の色が混じった。 「そうさ。答えはそんなに遠くにはなかった。むしろ僕にとって限りなく近いところにあったんだ。 それに今まで気づかなかったなんて……」 「成る程。それで……」 「君がさっきから僕を殺さなかったのは躊躇っていたからじゃなくて、できなかったからなんだ 僕が君に決して勝つことができないように」 「ほう……してそれは何故だ?」 「君は僕という存在に於いて切っても切れない関係にあるからさ」 身じろぎし始める暗黒騎士を見て更に続ける。 「パラディンとは聖なる力、暗黒騎士は闇の力。確かに相反し合うもの同士。だが、この教えは決して ただ、パラディンとしての力を得る訳じゃない。自分という存在の全てを肯定する事にあるんだ!」 「ふふ……上出来ではないか。気絶している間、一体何があったのかな。まあ、そんな事はどうでもいい。 その悟りを開けたならもう私は用済みだな」 「否、あなたはこれからも僕と一緒に常に歩き続ける。唯、今までどちらが表に出ていたかだけの違いだ」 「ハハハーーーッ! そこまでの考えがあったか。では一緒にさせてもらおうか」 そう言ってセシルの手を掴む。そして吸い込まれるかのようにそのまま消えていく。 「いずれお前が自分を見失ったら再び私が現れるかもしれん、それだけは覚えておけ――」 その言葉の最後の方はもう殆ど聞き取れなかった、しかしもうセシルには言わなくても分かるであろう。

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