三節 山間65

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「過去この場所に空間同士を繋げ、大陸間を自由に移動できる手段を確保するために出来上がったのがこのデビルロードだ。 そもそもこの道が何故デビルロード、つまり悪魔の道などという不吉な名称で呼ばれたかというと、理由が幾つかあるのだ…… 一つはこの道を使うのに相当な生命力を犠牲にしたからじゃ。ああ、安心しろ現在は創設時に比べて実験の重ねた結果、 そこまで危険な道では無くなった。 もう一つはこの道を作った後、黒き鎧を纏った男が現れた事に起因している。 当時、その姿を見た者は悪魔が現れたと思ったのだ。しかしそれは誤解であった。そいつは唯の人間であり、その上バロンのものだと 言った。つまり、は成功したと言うことだな。人々はこの道を最初使い、大陸と大陸を一瞬にして移動したその者の名を取って デビルロードと名付けたのだ。まあ、悪魔とは違ったのだが……」 「バロンから来た黒き鎧の男とは暗黒騎士だったのか?」 長々と続くテラの講釈の終了を見計らって訪ねる。 「詳しいことは私も知らんが、今重うと確かにそうだったのかもしれんな」 かつてのバロンから暗黒騎士がこの道を通ってミシディアまでやってきた。そして今かつて暗黒騎士だった セシルはバロンに向かおうとしている。これは何かの偶然であろうか。 「既に封印は解かれているんだね」 「ああ、それは問題ない」 「では」 扉を開けようとしたセシルを呼び止める声が一つ、いや、二つあった。 それに続くように草を踏みしめる足音が二つ、二方向から聞こえてくる。 「パロム! それにポロムか!」 現れたその姿に少しだけ驚く。 「見送りに来てくれたのか……」 そう言えば誰の姿も見えない、だが、無理もないだろう。試練を乗り越えたと言え、昨日の今日の出来事である。住人全員が 手を振って見送りとは、そう簡単にはいくまい。 「違うよ。一緒に行くことにしたんだ」 「え!」 セシルとテラが殆ど同じタイミングで声を上げる。 「そんなに驚くなよ……ちゃんと長老から許しは貰ってるぜ」 「そういう事ですわ。以後も宜しくお願いします」

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