二節 再開の調べ1

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ミシディアを飛び立ち、半日程が過ぎた頃であろうか、 飛空挺から見上げることの出来る風景が森一色になったのは。 「もうすぐ、トロイアだね」 トロイア国。その国が国土のほぼ半数以上が森林で出来ている事を 知っているセシルの言葉だ。 その知識があれば、今の飛空挺がトロイア領へと入った事は 簡単に察せるであろう。 「そうだな。だが、ここからが本番だぞ」 「勿論さ……でも大丈夫か?」 シドの言った言葉が、単なるこれからの喝入れ以上の意味がこめられている。 それがわかったのもセシルがトロイアという国のもう一つの特徴を知っていたからだ。 近くにいるヤンもテラも、今の二人の会話には特に気にもとめた様子も無く、それぞれ の感慨に浸っている。 「どうだろうな。実は、前もっての入国知らせはしていないのだ」 つまりは向こう側にとって今回の来訪は全く持っての想定外の事態となるのだ。 「まあ、トロイアはまだ飛空船の技術に関しては全くもって進んでおらん。 ずるい話だが、エンタープライズが打ち落とされる心配はせんでいいぞ」 それが、自らの技術への自信から来る言葉であったかどうかは判らない。だが、 本当に向こうに技術があるとするならば、とっくの昔に船は撃沈されていたであろう とセシルは断言できる。 何故ならば、あの国にある特徴を知っているからだ。加えて、今回の来訪の理由が あの国にあるクリスタルについてであるところだ。 「本当に大丈夫なんだろうか?」 「儂にもわからん。だが、事情が事情だ。何があっても用件を聞き届けてもらわんと いかん」 そう言うシドには自然と力が入っていた。 やはりシドにとっても、ローザの身は心配なのだ。 それにカインの動向も気になっているのだろう。

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