二節 再開の調べ5

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「大臣殿! そう簡単に言っていいのですか……」 近寄ってきた、隊長が小声で話す。 「その事はまだ、一部の者にしか言っていないはず。現に私も部下には誰にも 口添えしてません。それを、こんな見ず知らずな者に……」 そう言ってセシル達の方を見る。 「ですが、いずれ判ってしまう事ではありませんか。それに、この者達がもしかする と貴方の思っているような方だとしたらどうなりますか?」 「どうなるとは?」 「目的のものが無いと判ったらですよ。簡単に引き返してくれますか?」 「…………」 大臣の厳しい切り口に無言の隊長。 「この城は無事では済まないと思いますよ」 「ならば何故……大臣殿は彼らを信用するのです? こんな……」 「私がもしバロンの指揮官でしたら、今までと同じやり方をしたと思いますよ」 「どういう事で?」 「つまりは、上空から爆撃を重ねるだけです。そして適度に戦力を消耗させた後、 クリスタルを奪いに来る……」 「…………」 またも隊長は無言になる。 「もし、彼からがバロンの者だとしても、告知無しの爆撃などせず、こうやって 話をしに来てくれただけで、幸運に思うべきでは。そしてそのような者には 敬意を持って接するべきでは……」 「う……」 そこまで言われると何も言い返せなかったようだ。 「この者達を司祭さまのところまで連れて行こうと思います」 そう言った後、セシル達の方を向く。 「では、いきましょう」

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