四節 これから7

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「では……」 それを返答と受け取ったのか、攻撃は再開される。 今度はセシルとて万全の覚悟を持っての攻勢である、事前のようなスキをみせるまでもない。 だが、それでもファブールのモンク僧の中でも屈指の実力と断言できるこの男の技とぶつかりあうのは 一筋縄ではいかぬ事であった。 次々と技と技を組み合わせ、それを断続的にうちつつける。 それでいて単調でなく、複雑化したそれは大きなダメージを与えはしなくとも、受け手の体力を確実に 削ぎ落としていく。一連の行動にはスキというものが全く存在しない。 モンク僧は速さを活かし、己の肉体を武器に戦う者である。 鎧を着込み、剣を手にし、それらの武器を最大限に使用して敵を退けるセシルのような重騎士のような者 にとって相性の悪い相手なのかもしれない。 実力が同じ程度であるのなら尚更だ。 一進一退の攻防であるが、性質上ヤンが押している。 見る者を圧倒させるかのような瞬速の拳がセシルの鎧を打ち据える。 どうすれば…… 続く打撃はセシルでなければとうの昔に根を上げていただろう。そんなセシルでもこの状況から反撃に転じる 事は容易くはない。 それに、相手はあつての仲間だ。向こうは手加減無くとも、こちらには最低限ヤンへのダメージを抑えなければ ならないという前提がさらに両者の対決を一方的なものにしている。 「どうした! この程度か!?」 その有様に呆れたのかヤンは挑発と取れる発言をした。 「ヤン! 止めてくれっ! ここで僕たちがぶつかりのは無意味だ!」 触発され口から出る言葉は自分でも分かるほど意味をなさないものであった。 「何の事を言ってるのか皆目見当がつかんな!」 今のヤンにとってセシルの存在はかつて志を共にした仲間であるという 認識はからきしないのだろうか。

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